[君がいるから]



 空間は、ドアが開く音によって切り裂かれた。
「真己!」
 呼ばれた真己が振る向くよりも前に、真己の身体が浮き上がる。勇也の腕が解放されて、弧を描きながら床の上に落下した。鈍い音が鳴って、腕が弾む。血が通っていなかった腕に感覚はなかった。
 真己の身体は後ろから抱きすくめられていた。胸に回された両腕がしっかりと真己を支えている。真己は自分の足で立つこともしないまま、視線を後ろへ流した。
「たけ……る?」
「ごめん、遅くなった」
 虎琉は真己の身体をきつく抱きしめた。奇妙な体勢で抱きつかれているので、真己は身体の節々が痛かった。それでもかまわなかった。
「虎琉」
 虎琉の袖口が濡れた。真己が泣いている。実際に真己の泣き顔が見えたのは勇也だけだった。無表情のまま涙だけを流し続けている。頬にできた川は途切れることなく流れていく。次々に流れ落ちる涙が虎琉の服をどんどん濡らしていった。
「虎琉」
 腕の中に顔を埋める。虎琉が真己の身体を下ろした。真己の身体が崩れる。虎琉が支えてやらなければ、そのまま倒れ込んでしまいそうだった。
「怖かった……怖かった」
 子供のように何度も呻いた。虎琉は真己の髪をなでて無言で頷く。
「俺が俺でなくなっちゃうような感じ。早く虎琉に会いたかった……」
「ごめんごめん」
 二人のやりとりを勇也はぼんやりと眺めていた。突然現れた第三者はいったい何者なのか、勇也の判然としない脳みそでは判断できなかった。
 腕の感覚がわずかに戻ってきて、それが痺れに変わっていく。鈍い痛みにようやく意識が引き戻されてきた。
 虎琉は離れようとしない真己を引きずるようにして勇也の傍に移動する。勇也は反射的に虎琉の顔を見た。悲しそうな目で見下ろしている顔にはわずかに見覚えがあった。
「ごめんなさい」
 虎琉が小さな声で呟く。それから真己の頭を軽く叩いた。
「真己、タオルを濡らして持ってきて。バスタオルはダメだよ」
 真己が無言で首を横に振る。虎琉はため息をついて、今度はきつめに言った。「真己、早く!」
 真己は渋々立ち上がって、ベッドの下からタオルを一枚取り出す。部屋から出ていった。真己が出ていったのを確認してから、虎琉は勇也の方に向き直った。
「すみませんでした。俺がついていながら」
 勇也はよく判らないので何も答えられなかった。何でこいつはここにいるのかという疑念の方が強い。
「誰……?」
 ぽつりと一言だけ漏らした。虎琉は苦笑する。
「覚えていませんか? 一月前引っ越しの時にお会いしたんですけど。あとは道中で何回か」
 そして「俺ここの近所なんで」と付け加えた。ちゃんと頭が働くときならば思い出せるかもしれないが、今はどれだけ考えても思い出せそうになかった。虎琉もどうでも良いと思ったのか、話題を移す。
「真己のあれ、精神的な病気みたいなものなんです。二月に一度くらいのペースで性欲がどうしようもないくらいに高まるらしくて。昔の記憶が原因らしいです」
 あれ、というのが今まで真己がしていた行為のことをいうのだと勇也は気付いた。
「本人のためを思って人には言わなかったんです。そうなったのは本人の責任じゃありませんから……。だけど巻き込む結果になってしまって後悔しています」
 勇也が何も喋れないせいで、虎琉がよく喋っているように感じた。虎琉も真己には聞かせたくない話だったので、真己が帰ってくるのを気にしながら口早に喋っていた。虎琉は息をつく。
「見て見ぬ振りをするのではなくて、戦うべきだったんだ」
 語尾は真己が階段を上がってくる音でよく聞こえなかった。階下で何が起こったのかを問う会話が聞こえてくる。真己は結局いくつか聞こえてきた質問に、「何でもない」とだけ返して部屋の中に入ってきた。
 部屋に入ってタオルを虎琉に渡す。真己は虎琉の隣で正座をした。元から広くない肩がさらに下がっている。怒られる前の子供のようにこぢんまりとしていた。
 虎琉はタオルで勇也の体を拭く。顔や腹部を拭いて服を直していく。噛み跡を見つけて、動きが止まった。血は止まっているが肉の赤みが見えている。すぐに消毒するべきだろう。虎琉は何事もなかったかのように他の部分を拭いて、ひとまずめくれ上がった上着を下ろした。
 勇也は虎琉に身体を預けた。虎琉が勇也の身体を引き寄せて、背中を優しく叩いた。

「あの……ごめんね?」
 真己は酸欠の金魚のようにぱくぱくと口を動かした後、ようやく一言だけぽつりと呟いた。ドアから一番遠い部屋の隅に、身体を収めるようにして座り込んでいる。
 勇也はドアの傍に座らされている。真己曰く「逃げやすいように」らしい。勇也が真己を見ると、真己はさっと顔を逸らした。おそるおそる視線を戻して、やっと勇也と目を合わせる。人間に慣れない野生動物のようだ。
 虎琉は勇也の服を直した後、タオルを洗いに行った。真己に「ちゃんと謝りなさい」という指令を残して。気まずい雰囲気をうち破って、何とか絞り出したのが今の言葉だ。
 勇也はどう返して良いか判らず黙り込んだ。そこまで怒っているわけではない。真己に悪気がなかったのは、反省している様子でよく判る。唐突に引き戻された意識は未だぼんやりとしていて、何が起こったのか現実味が湧かない。
 勇也の沈黙をどう取ったのか、真己は落ち着かない様子で足の指を絡ませていた。
「この……症状っていうのかな、気付いたのは中学に上がるか上がらないかの頃で」
 両腕で膝を抱え込み、腕の中に顔を埋める。まごついた声が一層こもって聞こえた。聞き取れなくて、何度か頭の中で言葉を繰り返す。やっと、真己が「理由」を話そうとしているのだと気付いた。
「俺はよく判んないんだけど。父さんと母さんだった人に、俺は……」
 真己が言葉を切る。うつむいていたので勇也からはその表情はうかがえなかったが、その先に真実があることは容易に想像できた。おそらくは、一番話したくない事実。勇也は首を横に振った。
「話したくないなら、話さんでええ」
 勇也が望んでいるのは理由の追求ではない。理由などハッキリ言ってどうでもよかった。同じことが再び起こらなければ、それが一番いいのだ。
 勇也は真己のことをほとんど知らない。真己に限らず、施設内の仲間のこともよく判らない。そんな現状で理由を聞いたとしても、勇也には改善してやれる自信がなかった。ならば今は聞かない方がましだ。辛い過去があるのは判りきっている。解決の方は真己自身に任せるしかない。
「でも、俺は勇也にひどいことをしようとした」
 真己の眉が歪む。涙がぼろぼろと流れた。男が泣くのを見るのは、何だか妙な気分である。よく泣く奴だ。勇也は頭をかきむしった。
 勇也は小さい頃から「泣くな」と教えられた。辛いときも悲しいときも、できるだけ泣くのを我慢してきた。男はみんなそういうものだと思っていた。何故真己が簡単に涙を流すのか、勇也には理解できない。どうしたら泣きやんでくれるのかも判らなかった。
 未知の生き物と接するみたいだ。どうして良いか判らず、とりあえず距離を置くことしかできない。それではいけないと承知している。相手は未知の生物でも何でもなく、一つ屋根の下に住む仲間なのだ。
 勇也は幼い頃に亡くなった父のことを思い浮かべた。記憶の中にある父の手は、大きくて何でもできる手だった。あの手があれば何でもできる気がした。
 手を握ったり開いたりしながら、自分の手を見る。節々が出っ張ってごつごつした手になっていた。多分成長した勇也の手は父の手とそう大差ないはずだ。
 勇也が泣きそうになったときも、何度も助けてもらった。同じように今、真己の涙を止めることはできないのだろうか。
 そもそも、どうやって泣かないようになったのだろう。ふとよぎった疑問が、記憶を引っ張り出した。父と交わした約束が、勇也の耳の中にハッキリと響く。
 勇也は大きく目を開いて、腰を浮かせる。真己のすぐ側までずかずかと歩み寄った。真己が後ずさろうとするが、元々隅にいたので後ろには壁があるばかりだ。丁度先ほどの立場と真逆だ。
 真己の横に腰を下ろすと、勇也は小指を差し出した。眼前に差し出された指を、真己はまじまじと見つめる。意味が判らず、勇也に視線を移した。
「指切りしよ」
 笑みを浮かべて、勇也が言う。真己は手を伸ばしかけるものの、勇也に触れることもなくまた引っ込める。結局いっこうに小指を差し出さないので、勇也は真己の手首を掴んだ。脂肪のない腕は硬くて骨みたいだった。真己の小指を勇也の小指に絡めさせる。逃げないよう小指に力を入れた。
「痛いよ?」
 勇也の意図することが判らず、真己が不安げに首を傾げる。勇也は「約束しよう」と言った。
「これから、誰かと……その……」
 その後の単語が気恥ずかしくて言えず、勇也の言葉がいったん止まる。息を飲む。意を決して、後半をまくし立てるようにして言った。
「口づけとかしたくなっても、我慢すること」
 真正面を見据える勇也の視線に圧倒されて、真己が頷く。
「守れなかったら?」
 勇也は拳を握って真己の目の前につき出した。一瞬殴られるのかと思って、真己がたじろぐ。強く目を閉じて顔を背けた。目を開けると、拳は真己の数センチ手前で止まっていた。
「そしたら、思いっきりぶっ飛ばす」
 拳を引いて、勇也がいたずらっぽい笑みを浮かべる。「これでおあいこやろ?」真己もつられて微笑んだ。
「そんで、守れたら」
 自分の声と、父の声が、頭の中で重なる。変声期を終えた勇也の声は、よく覚えていないけれど父親の声と似ているらしい。母の再婚相手が留守のとき、母がこっそり教えてくれた。
「俺が誉めてやる」
 屈み込んで、勇也の目線に合わせてくれた父。まだ十にも満たない勇也の手は父の手ですっぽり覆える程度の大きさだった。
 父よりはまだ身長も器も小さい勇也だ。だけど真己の指は細くて頼りないから、勇也はできる限りのことをしてやりたかった。
 勇也の提案に、真己はきょとんとしている。目が細くなり、唇が三日月になっていく。すぐに満面の笑みへと変わり、真己は「約束する」と返した。
 「じゃあ」と勇也が切り出す。「指切りげーんまん」少し外れた音程で歌い出した。一方的に腕を振っているので、真己の腕が力無く揺れる。
「歌うの?」
 真己が聞くと、勇也は「当然」と答える。真己は照れたように笑うが、やがて二人の声が重なった。歌に合わせて互いに手を上下に揺らす。
「指切りげーんまん、嘘ついたら」
「思いっきりぶん殴る!」
 勇也が声を張り上げた。勇也が笑みを向けると、真己も笑って頷く。
「指切った!」
 思い切る振りほどいた指は少し痛かった。それすらも何だかおかしくて、二人はどちらからとなく声を上げて笑う。額に額をくっつけて笑うと、声がやけに大きく耳の中に響いた。
 真己の頬は乾いてかぴかぴになっていた。笑うと、頬が乾いているのがよく判った。
 もう涙は、流れていない。

 春の夜というのは、こんなにも冷えるものなのか。春特有の強風に髪をなびかせながら、勇也は腕を組んで身震いした。
 夜はすっかり更けたが、まだ明かりのある家は多く、住宅地に面した道は明るい。街灯も立っているので、これから出かけても支障はないだろう。
 虎琉と真己と勇也は、施設の玄関の前に立っていた。勇也はこれから虎琉の家へ向かう二人の見送りだ。施設の仲間も見送りをすると言ったが、虎琉が「勇也に話がある」と言ったので勇也だけとなった。
 時間はかからないだろうと思って何も着ずに外に出たのだが、風は思いの外冷たい。鼻に入り込む外気に刺激されて、くしゃみが出そうだった。真己はこの時期にしては大げさな薄手のコートを着ていたが、この寒さなら不思議でもない。風が強いため、前のボタンは閉めている。風に煽られた木々がうるさく騒ぎ始めると、コートの裾も激しくはためいた。
「どうもご迷惑をおかけしました」
 虎琉が丁寧に頭を下げる。何だか仰々しくて、勇也の方が恥ずかしくなってしまう。虎琉は年下のくせに、まるで真己の保護者のようだった。
 虎琉にくっつくようにして、真己が横に立つ。並ぶと二人の身長はほとんど一緒だった。真己が背を曲げて虎琉に寄りかかっている分、少し小さく見える。
「それと、ありがとうございます」
 意外な言葉に、勇也は思わず「何で?」と聞き返す。虎琉は真己の髪を指で梳いた。
「真己が嬉しそうにしていたから。勇太さんが真己を助けてくれたんでしょう?」
「勇也や」
 すかさず指摘すると、虎琉は照れたように首を傾げた。
「すみません、俺人の名前を覚えるのが苦手で」
 歴史はいつも赤点で、ついでに言えば他の教科も同じようにダメなのだと言った。勉強が苦手な勇也としては不謹慎ながら親近感が湧いてしまう。
「友達が嬉しそうだと、俺も嬉しいんです。だからお礼を」
「ありがとう、勇也」
 虎琉につられるようにして真己が口を開く。取っつきにくいという印象ががらりと変わってしまうほど、真己の表情は始終晴れやかだった。勇也の方も嬉しくなってくる。
「それと、お願いと言うほどのことでもないんですけど……」
 風が吹いて、ガラス戸が揺れる音がする。風が強くなってきた。虎琉の言葉が聞こえなくて、勇也は「もう一度」と言う。虎琉は同じ台詞を繰り返した。
「俺の想像なんですけど、真己とつき合っていくには直感的な方がいいんです。色々考えたら、逆に本当のことが見えなくなってしまうと思うんです」
 虎琉の言葉に、勇也は頷いた。真己は複雑そうに見えて実はすごく短絡的だ。あまりにも単純であるからこそ、逆に取っつきにくい。真己が虎琉に対してスキンシップ過多なのもそのまま好意の表れだし、泣きたいときは泣き嬉しいときは笑う。真己の行動をちゃんと見たのは初めてだが、真己の感情表現は真っ直ぐだった。
「だから、とても真っ直ぐな心を持っている勇也さんなら、真己のことをよく判ってあげられると思うんです」
「つまり、単純で阿呆の方が俺は好き〜」
 真己が口を挟むが、それは誉め言葉ではない。勇也は素直に喜べもせず、あいまいな笑みを浮かべた。一番好かれている虎琉は、つまり「一番単純で阿呆」なのだろうかという思いもあえて口にしないでおく。
「どうか真己と仲良くしてやってください」
 再び虎琉は深々と頭を下げる。本当に親御さんから頼まれているような気分だ。勇也も軽く頭を下げて「こちらこそ……」と返す。「何か変な状況だよね」という真己の言葉は、「お前に言われたかない」という勇也のつっこみで制した。
 風が弱まると、美味しそうな調味料の香りが辺りに漂う。夕飯の時間だった。施設でも夕飯は完成していて、食卓を囲みながら勇也が帰ってくるのを待っているはずだ。
 虎琉がジャケットの袖をまくって、デジタル時計の文字盤を見る。青白い光の中で黒い文字がぼんやりと浮かんでいた。
「そろそろ行きます。引き止めてすみません」
 そう言って真己の腕を引き、勇也に背を向ける。二人が並んで帰る姿はとても自然だった。まるで本当の家族のようだ。真己の帰ってくる場所はこの施設であるはずなのに、ずっとしっくりくる。
 真己が日暮園に来る前からの知り合いだというが、その期間に何があったのだろうか。疑問に思っていたことだった。だが聞いて良いのかどうかは判らなかった。また、聞くまでもないような気もした。
 日暮園の敷地から出ていくまであと数歩、施設を一周するようにして建つ囲いを抜けたら、二人の姿はすぐに見えなくなってしまうだろう。
 勇也の口が開く。数秒ためらって……大きめの声で虎琉の背中に聞いた。
「お前はさぁ」
 虎琉が振り返る。目にかかる前髪を手で押さえつける。暗闇の中でも虎琉の黒い瞳はハッキリ見える気がした。
「えーっと……この時期の真己とおって、平気なん?」
 言葉にしてみて、思いの外不躾な質問だと思った。しかし、即答したのは真己の方だった。
「平気だよ。虎琉といると症状が弱まるんだ。虎琉は俺のペインキラーみたいなもんだから」
「ぺいんきらー?」
 虎琉と勇也が同時に聞き返す。明らかに意味を理解していない。
「……鎮痛剤ってとこかな」
「なるほど」「ちんつうざいって?」
 頷く勇也に対して、虎琉が再び聞き返す。真己は閉口した。勇也はカタカナが苦手なだけだが、虎琉は純粋に頭が悪い。授業態度だけは真面目で、絶対評価でなければ、中学の進級も危うかったかもしれない。
 真己は虎琉の耳に唇を寄せる。虎琉にやっと聞こえるくらいの声で呟いた。
「君がいるから、俺は俺らしくいられるってこと」
 虎琉は大きく頷く。
「ちんつうざいってそういう意味なんだ!」
 真己は少し困ったように笑って「やっぱり忘れて良いよ」と付け加えた。
 勇也には真己が「鎮痛剤」と表現した意味が少し伝わった。二人の関係はやはりあれこれ考えるものではなくて、感覚的なものなのだろう。理由を探したってよく判らないに違いない。
 「治療薬」と答えなかったのも少しだけ判った。依存しすぎず、自分の力で直していかなければならないと、真己は判っているのだろう。向上する意志がある限り、きっと真己はいい方に向かっていく。勇也は何となくほっとした。
「判った。おーきに!」
 手を大きく振って伝えると、二人も大きく手を振り返した。至近距離で手を振るものだから、何回か互いの腕がぶつかる。顔を見合わせて笑いながら、二人は小走りに通りを抜けていった。
 人通りのない閑散とした通りから、弾んだ会話が聞こえてくる。夕飯のにおいを嗅いで、この家は麻婆豆腐だとか肉じゃがだとか言う声が聞こえた。お腹がすいたから早く帰ろう、という言葉を最後に、何と言っているのか聞き取れなくなる。
 手を下ろして一息つくと、今度は後ろから声が聞こえた。二番目の弟の、恵介だ。甲高い声で勇也を急かす。どうやら相当お腹がすいたらしい。玄関先でわめきながら足踏みをしている。寒いからか、外には出てこない。
 軽く謝りながら、勇也はドアを開けた。玄関にいるのは恵介だけではなく、梓や琴音もいた。梓が珍しく不機嫌さを露わにして「遅い」とぼやく。
 勇也の場合、彼らがペインキラーだ。それどころか万能薬くらいの威力があるに違いない。
 帰れば、迎えてくれる家族がいる。心地よい幸福感に、勇也は目を細めた。



Fin.

 思い描いていたオチが書けず、オチが出てくるまで書いたら予定より長くなってしまいました。文章力のなさと行き当たりばったりっぷりを痛感します。お題を元に書いた作品でなければ、とっくに丁度良い所でうち切っていたでしょう(こらこら)。
 後半は無理矢理追加したため、最初の方と雰囲気が違っているような気がします。妙にほのぼのとしてBLとは隔離されたような話になってしまいました。(ちるはさんに見せる用に書き直したのですが、全体的な雰囲気としてこっちの方が一貫性を保てるような気がしてきたのでついに差し替えました。ダメ創作家ですみません)。
 色々つなぎ合わせたらギャグだかシリアスだかほのぼのだか判らなくなってしまいましたが、バラエティー豊かな作品に仕上がったということにしておきます。



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