「水玉サクランボ」
おまけ。



「ゆーうーやーくーん♪」
「んあ?何や夏樹」
「ちょっとじっとしてて〜」

夏樹が妙にウキウキニコニコして近づいて来たと思ったら、何やら勇也の頭上でゴソゴソやりだした。
浩二もそばにやってきた。何やらニヤニヤしている。
(何や? っていうか、髪引っ張られて痛い…)

「な、何しとん?」
「いーからいーからぁ〜★動かないのー……よし出来た!!」

髪から手が離れた。
…のに、頭というか、髪に違和感が残る。
何か乗っているような。

と。

「…ぶっ…あっははははははは!!!!」
「やっべぇー!!」
「写真撮っていいか!?」
笑われた。
それもいきなり大爆笑。

「な、何なん!?」
違和感あるあたりに触ると、何やら髪にツルツルした丸いものが二つくっついているようで。
気づけば教室の女子らもクスクス笑っている。
気を利かせた子が勇也に手鏡を寄越した(笑いを堪えながら)。
朝も殆ど見ない鏡を覗いてみると。

赤くて大きな水玉模様のサクランボ(?)が頭の左の方に括りつけられていた(短い髪をきっちり)。

「何やねんコレぇ!!!!」

某ジーンズ着用刑事もかくやという絶叫をあげた。というか普通女がするものが何故自分の頭にあるのか。
立ち上がって夏樹に詰め寄ると夏樹はまーまー、とか言いながらまだ笑っている(浩二は「は、腹いて〜」と涙を流していた)。

「さっき落とし物で拾ったんだよね。きっと勇也君に似合うと思ってぇ〜★」
勿論明らかにいたずらである。
そもそも落とし物を持ってくるあたりからおかしい。
「勇也君かーわーいーいー」

笑いながらもカメラはきっちり構える浩二。流石の写真魂だ。

いや、とりあえず取ろう。そうしよう。これ以上こないなモン晒してたまるか。

そう思ってサクランボ(?)に手をかけた勇也だったが。

ガタガタドッタン!!

それは入り口から響いた効果音にはばまれた。

「あ、安倉…?」
「げ」
「あ、マズい」
派手に(?)登校してきたのは安倉だった。
そして、彼は今乱れまくった(…何でや?)机の真ん中で座りこんで口を押さえてプルプル震えていた。
それを見た夏樹と浩二は一瞬で笑いを消した。
「どっ、どないした安倉!?気持ち悪いんか?!」
「あ、バカ」
勇也はただならない様子の安倉に駆け寄った。

サクランボ(?)を乗せたまま。

浩二が警告したのも気にせずに。

「安倉?」

目線を合わせるようにしゃがみ込むと。

ガシィッ。

「おわ?!」
いきなり抱きしめられた。
というより締め付けられた。

「かっ…」
ここにきてやっと安倉から第一声が漏れた。
「か?(つか苦しい!!)」

「可愛い……」

それは今まで夏樹や浩二が言っていたものと明らかにニュアンスが違っていた。

そしてそれに気づかないのは勇也ひとりだけだった(勇也は「何言っとんねん!お前までからかうなや!!」と暴れている)。

「あ〜あやっちゃった。ありゃあ狼の前にウサギが焼き肉のタレ浴びて出てきたようなもんだぞ」
「ど、どーしよ浩二!!勇也の貞操がッ!!!!」
「(写真売ってやるか…)」

そして2人はやっとこさ安倉を引き剥がしにかかった。

安倉と浩二の間で裏取引がなされたのはそのすぐ後だったという。


(終われ。)

最初は雪夜のヘアピン絵から生まれたこのネタ(笑)
安倉君ぶっこわれでスマンorz



モドル